ポータビリティーの落とし穴
携帯電話各社が「音楽」を軸にした顧客囲い込みに積極的な中、10月にスタートする、携帯電話会社を変えても電話番号を継続できる制度「番号ポータビリティー」でダウンロードした楽曲を引き継げないことはあまり知られていません。ダウンロード数が多いほど「他社に行こうしにくくなる」(大手携帯会社)といえ、利用者不在の顧客獲得競争に疑問符がつきそうです。
NTTドコモが夏商戦向けに投入する新機種で「目玉になるのは音楽」(ドコモ幹部)とのこと。携帯電話に楽曲を丸ごと1曲ダウンロードできる「着うたフル」に初めて対応しました。
「着うたフル」とは?
KDDI(au)が平成16年11月に開始して以来、累計5000万曲超がダウンロードされ、au躍進の牽引役となった音楽配信サービスです。若年層を中心に、1台で10曲を保存する利用者も多いほどの人気です。
携帯各社にとって、契約純増数が頭打ちなる中、1曲300円でダウンロード時の通信料も稼げる音楽配信サービスは魅力的な市場となっています。「音楽は顧客囲い込みのツールになる」(KDDI幹部)との見方も。
しかしながら、携帯会社を変更する場合、過去に購入した楽曲がすべてムダになる可能性があります。
auは競合他社への変更には対応できません。
ボーダフォンは現在の機種変更の場合も楽曲の継続ができず、「苦情が増えた」とのこと。
このため音楽を武器にしたい携帯各社は、パソコン向け音楽配信サービスとの連携強化を打ち出す方針です。
NTTドコモは「パソコンの定額サービス対応端末を増やす」(商品企画部長)と強調しています。
auは2月に自社でパソコン向け音楽配信サービスに参入、パソコンから簡単にダウンロードした楽曲を携帯電話に移行できる仕組みを整えました。
ボーダフォンを買収したソフトバンクも米アップルコンピュータとの提携を検討中です。
しかし、大半のパソコン向け音楽配信サービスは携帯電話向けの音楽圧縮規格と異なるため、連携は難しいのが実情です。
今後、音楽配信サービスが拡大する中で、利用者の利便性を高めるには、各社の垣根を越えた取り組みが求められるようです。
スポンサードリンク